日本の高齢者は独特のマネー管理術――「資産三分法」を持っている。この方法は科学的かつ実用的で、広く用いられ、高く評価されている。
元大学教授の岡田さんの退職金は月80万円。家賃5万円を差し引くと、彼の生活資金は75万円で、日本では中流家庭の生活レベルである。しかしこの75万円から各種の投資費用を差し引くと、生活に使えるお金はわずか30万円程度で、やりくりは困難だ。岡田さんには3人の娘がいる。長女は中国で結婚し、家庭を持っている。残りの2人のうち、1人は社会人だが、もう1人は大学生。こうした経済状況にある岡田さんは、今の日本の高齢者の最も代表的なマネー管理術である「資産三分法」によって資産を管理しているのだ。
流動性資産:病気やケガ、災害などのイザという時に備えるための資金。いつでも現金化できるように、普通預金や短期の定期預金などの方法で貯蓄しておく。岡田さんは流動性資金として毎月8~14万円を銀行に預けている。何か事が起きたときは、直ちにこのお金を銀行から引き出し、急場に間に合わせることができる。