しかし、「嫌消費」現象は完全にマイナスの現象だといえるのだろうか?実はそうとも限らない。質素倹約の生活を「ケチ」ではなく、かっこいいという人もいる。日本人の伝統的な質素でがまん強い姿を表しているからだという。日本人は辛抱強い民族である。若者は「嫌消費」なのであって「嫌学習」ではない。若者は一種の緊張感をもって、着実に何かを学び、資格を取得していく。「人生、学んだことがいつか役に立つ時がくる」というおしんの名台詞が頭をよぎる。これは日本人共通の人生感といえるだろう。
中国に目を向ければ、80年代生まれは現代の消費を支える主力である。多くの若者は「月光族」(貯金をせず、その月の給料をすべて使い果たす若者)となっており、銀行からお金を借りるのが流行っている。クレジットカードの限度額を越えて使用し、返済ができなくなる「カード奴隷」になる若者もいる。若者の生き方は、その民族の特徴を顕著に表すといわれている。質素な日本の若者と贅沢な中国の若者、どちらの将来が明るいとは言い難い。「嫌消費」の日本の若者の耐える力を甘く見てはいけない。彼らは物質的、精神的な圧力に耐え、経済の低迷期を淡々と過ごしている。貯蓄、財産、才智、これらも一種の理性なのだろう。(黄文炜)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月23日