福島第一原発の分布とユニットの安全状況図
原子力発電所にいる作業員はほとんどが経験豊富なプロである。またボランティアで参加している人も力強い手助けになっている。彼らは全身に最先端の防護服を身につけてはいるが、あたり一面の高濃度の放射能の危害を防ぐには十分とは言えない。死を恐れずに立ち向かう作業員たちは、他の救援作業を行なうための貴重な時間を生み出している。
1986年、チェルノブイリ原発の救援作業に携わった176人の作業員のうち、多くがその後、数週間のうちに被爆したことにより、不幸にも命を落としてしまった。付近では50万人の住民が深刻な健康被害を受けた。防御処置が徹底しているため、福島原発はチェルノブイリほどの悲惨な状況に陥ることはないと思われるが、作業員の健康被害は楽観できない。
地震が発生した時、原子炉4・5・6号機はすぐに停止したが、原子炉の燃料は冷却水によって冷やし続ける必要がある。15日、冷却水の不足により4号機の原子炉で火災が発生したが、すぐに消火できたため大惨事は免れた。原子炉を覆っている格納容器は頑丈で、飛行機がぶつかっても、漏洩はほんの少しに抑えることができるという。