日本で一部の農産物から基準を越える放射性物質が検出されたとの報道がなされた後、中国国家質量監督検験検疫総局(国家質検総局)は一部の食品と農産物の輸入を禁止したに過ぎなかったが、浙江省温州市の一部のスーパーでは日本産の海産物、果物、野菜など生鮮食品の仕入れを停止した。一部のサプライヤーは、仕入先を日本から欧米地区に変更しているという。
「マグロが無くなり、鮭はノルウェー産になった。」昨日、刺身を食べようと、スーパーを回った林さんは、鮮魚売り場から日本の魚介類が消えているのを見て驚いたという。「スーパーの生鮮食品はすべてノルウェーなどから仕入れ、日本産はなくなった。」大手スーパー「好又多」の責任者はこのように明らかにした。「韓大スーパー」の責任者も記者に対し、「安全を考慮して、我がスーパーは日本産の魚介類の仕入れを停止した。店内で売られている鮭、蟹などは2月に仕入れたものだ」と述べた。
温州市のスーパーでは日本製の日用品が不足し始めている。世紀聯華の責任者は、「花王のおむつ『尿不湿』はすでに在庫切れになった。明治の粉ミルクは3歳以上対象のものを除いて、在庫がわずかとなっている。」と述べた。しかし、現在、世紀聯華の日本製商品の供給は全体的に安定しており、ここ数日の販売状況は良くなっているという。世紀聯華の責任者は、「通常、輸入の日用品や食品の販売は一般商品に比べると少なく、また、我々杭州本部の在庫量は多いため、日本製の日用品の供給は正常である」と述べた。一方、韓大スーパーの責任者は、「我がスーパーでは、日本製のミネラルウォーターと粉ミルク用水が現在、買い占めなどの原因で在庫がわずかとなっている」と述べた。
温州市の大型スーパーの輸入製品の内、日本のものは10%~20%を占めている。韓大スーパーのように日本、韓国製品中心のスーパーでは、その割合がもっと高い。日本の地震と原発事故により、これらのスーパーでは仕入れ先の調整を余儀なくされている。韓大スーパーの関係者は、「鮭はノルウェーとオーストラリアから仕入れるようにした。日本ルートの埋め合わせをするべく、現在、各スーパーは仕入れ先を欧米諸国に変更している。我々も最近、欧米の食品や飲用水などの調査を開始し、仕入先を探している」と述べた。そのほかのスーパーでも、欧米諸国、オーストラリア、ニュージーランドなどの地区から仕入れを行うよう調整を進めているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月29日