20年もの長い経済の低迷が、日本の若い世代を敏感で軟弱にした。「第二次大戦以来の大災難」が突然襲ってきた今、この甘やかされて育った青年たちは国家を再建するという重責を担えるだろうか。
埼玉県のスーパーアリーナは現在避難場所として使用されているが、通常はロックコンサートなどの会場だ。震災後、この地域の青年達がここに集まったのは、コンサートのためじゃなかった。
朝9時半までに、支援センターはすでに500人を超えるボランティアを受けつけて終わっていた。ほとんどが青年世代で、その他1500人は次の日に「ボランティア当選」のためにサポートできることはないか準備していた。
18歳の石井正行君は幸運にもボランティアの機会をものにした。満面の笑顔で彼が掲げたプレートには「60歳」と書かれていた。彼の友達が掲げたプレートには「女性」と書いてあった。二人が協力して行う任務は60-69歳の女性被災者を毎日1回入浴に連れて行くことだ。
「日本の若い人には積極的な向上心が見えないという人がいます」石井君は正座して足を温めながら言う。「だけど、たいへんな時には僕らはサポートしたいと思うし、お金は出せないけど、体はこうして実際動かせます。」
石井君の言うように震災発生後、無数の青年たちがボランティアを志願し、お金のあるものは募金をし、力のあるものは行動した。社会で仕事をした経験のある人は被災者の行方不明になった親しい人を探す手伝いをした。
歴史を振り返っても不測の事態が起こった時、社会の雰囲気が根本から変革されることがある。東京同志社大学の経済学教授、林利彦教授いわく、「日本について言えば、20年という経済停滞でも国の政治、経済体制を変えることはできなかった。だが、今回の危機はおそらく刺激剤となって、きっと日本を変えることだろう。」