日本の原子力エネルギー関連企業は学会でもかなりの神通力を持っている。内閣府の原子力安全委員会の現委員長は班目春樹氏で、元東京大学教授である。2007年、彼は静岡県浜岡原発停止に関する訴訟で被告中部電力側の証人となった。彼は当時証人尋問で、緊急電源が地震のために全部故障損壊する事は絶対にあり得ないと証言した。ところが福島原発事故は、このような事態がやはり起き得る事を示している。
中部大学の原子力エネルギーの専門家武田邦彦氏は最近とみにその呼び声が高い。彼は自分のブログで、福島原発事故発生後に政府が発表しているデータと説明に対して継続して疑問を投げかけており、如何にして放射性物質の被爆から自分の身を守るかについて指導をしており、多くの支持者を得ている。武田氏はかつて原子力安全委員会の専門委員を務めた事がある。武田氏は博士論文の中で、5年前の原子力安全委員会における原発の耐震設計の審議の際の模様を描写している。武田氏は当時三点の疑問を提出したが、全て内閣府の官僚によって軽くあしらう扱いを受けたと言う。
この当時、東京電力の原発の安全データ改ざんや規定に従わない操作等の不祥事が相次いで発覚したが、政府の罰則を簡単にすり抜けた。既に40年に亘る運転をしている福島第一原発1号機は、本来今年3月が廃炉期限だったが、2月になって再び原子力安全保安院の10年の延長運転の許可を得た。
政府の監督体制の欠陥は目下人々から大きな問題と目されている。菅直人首相は原子力安全保安院は必ず経済産業省の中から分離させると表明した。与党民主党内には、保安院と内閣府の原子力委員会を統合させ、米国の原子力委員会に倣って独立性を持った原子力安全監督機関を創設すべきだとする意見がある。
ここで想定できるのは、福島原発の危機が最終的にどのような結果になろうとも、日本の「原子力村」は解体する必要があると言う事だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月19日