私の出会った日本人(5)バブルの中の一般人・渡辺さん

私の出会った日本人(5)バブルの中の一般人・渡辺さん。 「家を買うべきですよ!世の中何でも作り出せるけれど、土地だけは増やせませんから」当時30代前半だった渡辺さんは私に言った。今の日本で、彼に「家を買いましたか?」「何軒買いましたか?」と尋ねたとすればこれはもう皮肉以外の何物でもない…

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発信時間: 2011-05-04 13:09:53 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

当然増えてなどいない。大学で法律を学んだ彼はその頃司法試験に向け準備中だった。弁護士資格を得るまでの間、とある事務所で働いていたのだった。法律を学ぶ人は他人とは違う視点を持ち合わせていてごく抽象的な部分からでも物事をはっきりと見通せるものなんだな、と私は思ったものだ。

収入も高くなかったし、司法試験のために相当の精力を傾けなくてはならなかったが、渡辺さんは当時成功していた若者たちと同様にマンションを買った。東京の閑静な高級住宅街のひとつである目黒区で、ワンルームタイプを二部屋買った。

「東京に出てきて働いているような人に貸せるんです。借り手も探してくれると購入時にディベロッパーが約束してくれました」

渡辺さんは満足げに話してくれた。彼の住んでいた賃貸マンションから事務所までは1時間半かかっていたが、目黒の部屋からなら30分ほどだった。

一部屋は賃貸にまわし、一部屋は自分用として住む――。渡辺さんは手堅かった。私の記憶が正しければ、当時30平米未満のその部屋は3000万円くらいだったと思う。彼の10年分の給料に相当する額だ。でも一部屋を貸すことができれば、彼の1カ月分の給料とほぼ同額の賃料が入ってくる。

「日本の不動産価格の上昇局面を加算すれば、遅くとも6、7年で元をとることができるでしょう。不動産価格は毎年二桁ペースで上昇するでしょうから」

日本経済の戦後40年あまりの発展過程を踏まえ、渡辺さんは結論を出した。

コラムニスト・陳言 「日本スケッチ」

 

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