元朝日新闻主筆、船橋洋一氏は、最近英紙フィナンシャルタイムズに一文を寄せた。以下は概要である。福島原発の経営者である日本で最も影響力を持つ企業、東京電力(Tepco)が、6乃至9ヶ月で損壊した原発施設を制御可能にすると発表し、これが日本のエネルギー供給の中断に対する憂いを増長している。
しかし、世界の歴史が証明しているようにピンチはチャンスを生む。最近の東京での会食で、日本の名だたるビジネス界のリーダーは日本の復活(復興ではないなら)は魅力的な構想を提示している。——今こそ過去と決別し、中国に親近する時だと。
新工業革命という言い方は楽観的過ぎるかもしれないが、人々がよく知る日本で最も有名なブランド、パナソニック、シャープ、ホンダなどはその生産基礎を1923年の関東大震災の廃墟の上に作り上げたのだ。この歴史をもう一度繰り返すには中国は恐らく要となるだろう。
同席していたある企業幹部も、彼の会社のサプライチェーンが断絶しているので、中国でビジネスと輸出基地を拡大するしかないという。彼の会社の一部の工場が震災で被害にあった部品サプライヤーにも、生産拠点を中国に移すよう進めているそうだ。また、ある幹部もこれを受け「そうだな。エネルギーの供給が不確かなのが日本の欠点だ。生産を安定させて業界での地位をしっかり守るべきだ。好き嫌いに関係なく、中国での業務拡大は正しい選択だよ。」と応じる。生産拠点や震災地に集中していた部品サプライヤーの突然の生産中止でサプライヤーチェーンが分断されるというのは、確かに切迫した試練に違いない。