▽専門の民間救助隊
女川で泥を取り除く救助隊員たち
政府の頼りなさに比べ、日本の民間救助隊は非常に専門的で頼りになる。女川では、日本財団が全ての犠牲者の遺族に対し5万円の見舞金を受け渡した。見舞金の受領にはサインが必要だが、事務的に遺族と犠牲者をいちいち照らし合わせるということはせず、受け取りに来た人にはすぐに与え、遺族が悲しい過去を思い出さないよう配慮されていた。我々が、遺族に成りすましてお金をもらいに来る人はいないか尋ねると、スタッフは次のように答えた。そういうこともすでに想定済みで、ここへ来る前、上司から「成りすましに騙されてでも、遺族の心の傷に触れることがあってはいけない」と指導されたという。
成りすましもそうだが、遺族間の連絡がうまく取れていない場合、一人の犠牲者に対し複数の遺族が見舞金を受け取りに来る可能性もある。スタッフによれば、すでに返金したケースが1件あるという。その遺族は、返金の際、家族の他の者が受け取っていたが、それを知らず再び受け取りに来てしまった。大変申し訳ないと話したという。
石巻住吉中学の体育館には、多くの被災者が寝泊りしている。また、その被災者たちに食事を作る自衛隊の中に、なんと大連出身の実直そうな若者がいた。彼によれば、以前は庶民たちの自衛隊に対するイメージはあまりよくなかったが、今回の地震で、すぐに駆けつけ、積極的に救済に当たってくれたことで、かなりイメージがアップしたという。
役人と比べ、日本の一般庶民たちの方が更に賞賛に値する。身近な例では、多くの被災者が休憩した場所で、人々が立ち去った後には、一つもゴミが落ちていないことである。これは地震前から変わらないことだ。宮城県で写真館を営む女性は、多くの人が被災し、さまざまな証明を再発行する必要があるため、後先考えず、とりあえず店を再開、みんなの役に立てればと語る。また、石巻市で立ち寄った再開3日目という居酒屋では、店員がやっとの思いで再開できた店だから、今後も続けて頑張っていくつもりだと笑いながら語った。素晴らしいのは、震災前と全く変わらないメニュー料金である。
今回の視察で最も感動したのが、住吉に身を寄せる50代の女性で、彼女は我々に向かって道端の桜の木を指差しながら言った。「津波が来たけど、いつも通り桜の花が咲きました」
玉樹でも同じような楽観的な高齢者に出会った。その人は、私に「あっかんベー」をしていた。
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「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月29日