日本の4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は2年以上ぶりに上昇したが、3月の地震発生後、物価と消費は未だ弱く、日本政府のデフレ脱却の道は依然険しいことを示している。シンガポール紙「聯合早報」が伝えた。
日本の4月のコアCPIは前年同期比0.6%上昇した。主に高校授業料無償化による昨年4月の物価低下、大口商品価格による押し上げ効果と考えられる。CPIの上昇は2008年12月以来で、市場で予測されていた中間値と合致している。
ところが、日本の与謝野馨経済財政担当相は、4月にコアCPIが2年4カ月ぶりに上昇したことについて、「まだインフレとは言えない上昇率」と述べている。またアナリストも、「CPI上昇は日本のデフレ脱却を意味するものではない」とし、東北地方の復興が需要を押し上げる以外、給料と雇用市場は需要の継続的な改善を後押しできない可能性もあるとの見解を示す。
1年で50%の大幅上昇となった原油価格は世界的なインフレを引き起こし、インフレを防止するために中国やタイなどは借入費用を数回にわたって引き上げた。日本のCPIは上昇に転じたが、3月11日に発生した大地震と津波によって日本経済は再び後退するため、日本銀行は景気刺激策を拡大し、回復を後押しする可能性が高い。
コアCPIに石油製品は含まれるが、生鮮果物や野菜、海産物などの価格変動の大きい製品は含まれない。
大和証券SMBCの野口麻衣子エコノミストは、4月の物価上昇が日銀の量的緩和政策の継続予想を変える可能性は低く、日本の物価が安定・継続的な上昇となるまでにはまだ時間がかかり、2012年になるとの見通しを示した。
フランスのソシエテ・ジェネラルの大久保琢史チーフエコノミストは、「物価は上昇したが、日本はまだデフレ状況にあり。特に雇用市場は弱く、企業はまだ雇用を増加し始めていない」と話す。
バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは、震災後の消費財の一時的な不足も4月の物価を押し上げる力となったが、供給不足による上昇は長くは続かないとの見解を示した。
また、経済産業省の発表によると、日本の4月の小売業販売額は前年同月比4.8%減だった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年5月30日