日本のデフレ傾向は日増しに強まり、労働力商品の価格下落が止まらない。日本政府は大規模な財政措置を講じ、日銀の金融緩和策によって内需を刺激するが、企業の存続にかかわる値下げ競争は過酷さを増しているようだ。
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食品・飲料の価格の下落が顕著
「民は食を以って天と為す(庶民にとって食は生活の基本)」という言葉が示すように、人々は食べ物の価格の変動には最も敏感で、値上がりが続けば切実な痛みをもたらし、値下げが続けば消費者は喜ぶが、販売する側は生活が苦しくなる。全体から見れば、物価の急騰や暴落は、どちらも経済にとって良いニュースとは言えないのである。
長く日本の市場の大部分を占有してきたアサヒ、キリン、サントリー、サッポロなど、大手ビールメーカーには密約が交わされているようで、価格競争は行われず、ビールの価格は一貫して殆ど差がない。350ミリ缶1本の値段は殆どが200円以上である。しかし、今年6月には、大手小売業のイオンが自主企画商品として韓国製ビールを輸入し、350ミリ缶1本を88円という低価格で発売し、大型ショッピングセンターをチェーン展開する西友も7月から1本87円の缶ビールを発売する。
小売業者は、人々の財布の紐が固い状況の中では、顧客を獲得するため、当然のことながら商品の価格をできるだけ低く抑える必要があると考えている。これにより、日本製ビールの販売は大きな影響を受け、今年1月から10月までに販売量は2.8%減少し、ビールメーカーは現在の雇用を維持することが困難となり、営業利益も大幅に減少した。キリンビールの松沢幸一社長は、低価格のビールブランドが増え続けている中で、敗者になりたくなければ値下げをするしかない、と語る。
ビール以外の飲料も同様である。福岡市で開業した店では、自動販売機では1本150円の 500ミリ・ペットボトルのお茶を、1本49円で販売する。また、これまで安くても1本1,000円以上だったワインについては、チリワイン1ダースをたったの4,788円で販売する。
日本の貧困層が好んで食べる牛丼は、数年前には1杯が500円近くしていたのが、現在では1杯250円の牛丼まで登場している。ラーメンは、以前には1杯600円から700円が一般的だったが、現在では1杯390円のラーメンがある。それにもかかわらず、多くの飲食店では客が少なく閑古鳥が鳴いている状態だ。
富裕層も値段を気にするようになった