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富裕層も値段を気にするようになった
ファッション分野でも、商習慣を打ち破る価格競争が行われている。これまで、高級ブランド品の販売で有名だった高島屋では、高級ブランドだけに価格も安くはなかったが、現在では、低価格路線を歩み始めている。富裕層も価格を気にするようになっているので、価格競争はやむを得ない、と鈴木弘治社長は語る。
日本の薄型テレビも価格競争の最中にあり、性能の向上に反して、価格は毎年20%のスピードで下落している。コスト削減を迫られる各メーカーは、生産規模を拡大することで、可能な限り価格を抑えようとしている。
価格競争は企業の業績にも影響を及ぼし、正社員の収入は上がるどころか下がる一方である。また、コスト削減のため、非正規社員の雇用は減り、非正規社員は生活の不安定からお金を使おうとせず、消費は益々低迷し、小売業では更に価格競争が進み、デフレは更に進行する。この悪循環を、日本のメディアは「デフレスパイラル」と呼んでいる。
2011年には、消費者物価がプラスに転換?
日本のデフレ現象は1997年の山一証券破綻を契機とする金融危機から始まっており、2001年3月には自民党政権が戦後初のデフレを宣言した。海江田万里経済財政担当相は11月19日、2011年には消費者物価上昇率がプラスに転じるとしたが、経済協力開発機構の関係者は、消費者物価指数の下落は少なくとも2012年まで続くと予測している。
前日本銀行副総裁の岩田一政氏は、デフレから脱却するには、日本は思い切って、金融緩和、財政措置、制度改革、貿易の自由化など、あらゆる手段を併用していかなければ、真の効果を上げることはできない、としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月6日