震災後の日本見聞録(2) 足湯ボランティア

震災後の日本見聞録(2) 足湯ボランティア。 「足湯」を通して、被災者のニーズを知るというのも、阪神大震災後の教訓である。ボランティアの木村奈々恵さんは、阪神大震災での経験を、次のように語る。「当時は、足湯という手段がなくて、避難所で暇そうな人を探しては情報を集めていました。けれど、被災地で暇そうな人といえば子供ばかりで、有効な情報を集めることはできず、『家に帰りたい』とか、『住む家が欲しい』『家族に会いたい』とか、私達にはできないことばかりでした」…

タグ: ボランティア 足湯 被災地 避難所 訓練 研修

発信時間: 2011-05-30 14:13:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

4月16日から23日までの間、笹川日中友好基金の招待を受けた中国の企業家が日本の被災地を訪れ、学校や被災現場、自衛隊やボランティアによる救援・救助活動を視察し、帰国後、そこで見聞きしたことや感じたことを語った。

(1)いつも通り開花した桜

(2) 足湯ボランティア

文=メディア関係者 林楚方

▽入念な訓練

私が追跡したボランティア達の中に、浦田尚美さんという、NHKなど多数のテレビ局でヘアメイクの仕事をしている女性がいた。「東北ではあんなに大勢の人が亡くなったのに、私はヘアメイクなどしていてよいのか?」。震災後、自分の仕事に大きな戸惑いを覚えた彼女は、日本財団(笹川日中友好基金の上部機関)の組織するボランティア活動に参加した。その任務は、被災者への「足湯マッサージ」だった。中国の友人にこの話をすると、多くの人から、「日本人はそんないかがわしいことをしているのか?」、という反応が返ってくる。しかし、その後の経験から、彼らの足湯マッサージは、組織化された、目的のあるもので、そのプロセスはとても入念なものだということを、私は知った。

4月18日午前、私達は、「足湯ボランティア」の研修に参加した。講師は次のように、参加者に語った。「被災者の多くは、1ヶ月の間、入浴もできずにいますから、足湯マッサージは、楽しみになりますし、リラックスしてもらうことができます。また、肌と肌との触れ合いは、知らない人との間に信頼感を生むのには最適な方法ですから、彼らが何を求めているのかを聞き出すことができます。夜、帰って来てから、それを班長に報告し、班長はそれを取りまとめて組長に報告し、組長は組織者に報告し、組織者はボランティアセンターに報告し、ボランティアセンターはそれらのニーズに基づいて、また、新しいボランティアを手配します」。この話を聞いて、私は漸くそのことに気が付き、大きなショックを受けた。

日本の友人によれば、日本では異性によるマッサージは稀なそうだが、今回の被災者への足湯マッサージは、正に、異性が異性に行うもので、マッサージされる側が心地良くなってくれれば、本心を語ってくれる。「恋愛感情が芽生えるとかは、心配しなくてもいいですよ。相手はおじいさん、おばあさんばかりですから」と、講師が説明を加えると、会場の参加者達からは、大きな笑い声が上がった。講師は、1995年の阪神大震災でボランティア活動をした経験があり、神戸では、家を失い、家族も行方不明になったおじいさんが、一人の女性のマッサージを受けた後、「こんな美人の女の子がマッサージをしてくれるんなら、死んでもいいな」、と冗談を言ったのだと、当時の思い出を語った。「私が言いたいのは、被災者の心を解きほぐす、ということです」。参加した80名以上のボランティアのうち、6割が30歳以上の女性で、その他に、20数名の青年と数人のおじいさんもいて、おじいさん達は被災地のおばさん達にマッサージをしてあげるのだろう、と考えた。

研修は4時間近くも続き、その特別に入念な訓練の中で、講師は遭遇する可能性のある様々な問題について語った。例えば、最初から、敏感な話題に触れてはならないこと。「お子さんは?」「行方不明です」、「ご親戚は?」「連絡が取れません」、「家はどうでしたか?」「流されました」、等々。お互いが打ち解けるのを待って、相手が自主的に話すようにしなければならない。

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