6.サッカーする女の子
日本の幼稚園では年中組になると週に一度jumping、つまり中国でいう体育やトレーニングの授業を行うようになる。年長組になるとサッカー大会があり、子どもたちは太鼓やサッカーの練習に大忙しだ。練習とはいえ、本物のサッカー、幼稚園同士の試合等もあり、田田の体には青あざが絶えなくなってしまったが、体力も勇気も確実に身についてきた。
実は来日当時、田田には冷や冷やさせられていた。日本の子どもたちの背丈は通常、13~14歳で一気に伸びるが、それまでは中国の子どもより背が低い。田田はクラスの中でどうしても目立ってしまう「大物」だった。しかし、それはまさに見かけ倒しで、日本の子どもたちが裸足で外を走り回っている中、田田は畳の上に少しでも砂がかかっていると、つま先立ちして歩くような状態だった。遠足で山登りをした時も、最下位だったことはさておき、帰りは背の低い日本の子ども2人に支えられながらの下山となった。これは彼女のせいではなく、3歳の子どもに登山を1時間も経験させていなかったことが原因だ。今はもう大丈夫。去年はシャングリラで酸欠の中、4時間の歩行に耐えることができるまでになった。
7.完全縦割り教育