菅降ろしに走る人たちは、「誰が後任を務めるか」「日本が震災後の苦境を乗り越え、再建・復興の道を歩む誘導を誰ができるか」という問題を考えなければならない。現在、民主党にも自民党にも、特に有力な後継者はいない。
日本で、政治家は一つの職業に過ぎない。選挙に敗れた議員は失業したと同じで、生活費が問題になる。政治家の中には本当に才能のある人も少なくないが、多くの能力ある人は表に出たがらない。中には、ほかに秀でた一芸がなく口のうまさに頼らないと生活できないため、政治家の道を選ばらざるを得ない人もいる。これは日本社会の特徴だろう。
もちろん、政治家が「厚かましい」のは悪いことばかりではない。数日前に新聞で、このような記事を目にした。受託収賄などの罪で昨年12月から服役中の新党大地の鈴木宗男代表が、刑務所内で配膳係になり、彼は「食事の量に偏りがあっては暴動の元になるので細心の注意を払っている。めちゃくちゃ忙しい」と語った。刑務所でも鈴木氏は厚かましく政治家らしい振舞いをし、収監されてもまだ政治活動を展開し、政府の方針や自身の主張を記した手紙を親しい評論家に寄せた。日本メディアは、「鈴木氏の政治家魂は、獄中にあっても未だに消えてはいない」としている。「厚かましい」には、どんな苦境の中でも楽観的で、活気に満ち溢れているという褒める意味もある。
日本の首相はどうして頻繁に変わるのだろうか。日本の民主制度が比較的極端なことが原因の一つだ。日本国民の権力は比較的大きいため、首相は世論に耳を傾ける必要がある。首相の言動全てが公に晒され、菅首相が何本の歯を抜いたなどと記者に調べられるように、透明性がある。就任してすぐに見抜かれれば、目が厳しい民衆に不満に思われるのも仕方ない。このとき長く首相をやりたいと思っていれば、「根性」と「厚かましさ」に頼るしかない。ある精神科医は、菅首相の現在の心情について、「自身に注目が集まる現在の状況を楽しんでいる」と分析する。悪いことは見て見ぬふりをし、内閣不信任決議案の採決前に国会で居眠りまでした菅首相は、精神状態が非常によい人と言うべきだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月5日