「日本中枢の崩壊」を読むと、日本の官僚機構が如何に欠陥だらけの組織であることがよく分かる。日本の官僚には、「国民のために」働く崇高な精神は一切なく、誰もが自分の功績のためのパフォーマンスに頭を捻っているだけに過ぎない。
こうした現状において、国民の政治への不信はますます募っている。先週、日本に帰省した際に、長期にわたって菅直人首相を支持する民主党幹部議員らと、国会議事堂近くで食事をする機会があったのだが、私が何か言う前に、誰もが菅首相の批判を始めたことには少々驚いた。
「以前の菅首相は我々の助言に常に耳を傾けていた。今は独りよがりになって、我々の言う事なぞ耳も貸さなくなった」
「首相を辞任しない理由は1つだけだ。首相夫人が辞めさせてくれないからだよ」
政治も信じられぬ、行政も信じられぬ日本国民は、最終的に何もかもを悲観した、内向的に沈んだ価値観を抱くようになっている。