この進歩は日米両政府の交渉の結果と言うより、日本の国民の努力による勝利と言うべきだ。『日米地位協定』の保護下で、在日米軍は身勝手な行動をとり、特に沖縄に駐在する米軍兵士は飲酒運転で県民を怪我させる事故を何度も起こしても、しかるべき処分は行われていなかった。これに強い不満を感じた日本の国民は反米デモを何度も起こし、政府に抗議文を提出し、犯罪者を厳しく罰し、不平等な『日米地位協定』を見直すよう求めた。
また、『日米地位協定』の運用見直しは、米国側の一種の戦略的な譲歩とも見るべきである。普天間基地移設問題の長期化は日米関係の安定した発展だけでなく、米国の軍事予算の制定やアジア太平洋地域における軍事戦略にも影響する。互いが譲らない中で米国が譲歩したのは、日本国内、特に沖縄県民の反米感情を和らげ、普天間基地の県内移設に条件を作り出すためだ。
さらに、飲酒運転で事故を起こした在日米軍の軍人・軍属を日本側が処分することに米国は同意したが、これは日本の司法機関がスムーズに犯罪者を処分できることを意味しているわけではなく、米国兵士の日本での強い地位を根本から揺るがすことはできない。協定に基くと、公務中であれば、米国側に第一次裁判権があるのに変わりはない。米国側が刑事訴訟を起こさなければ、日本側は通告から30日以内に裁判権行使に同意するよう米側に要請し、同意が得られれば日本は裁判できる。
『日米地位協定』の抜本的見直しを強く望む沖縄県民にとって、この大きな進歩は戦いの途中の小さな一歩にすぎない。米国に調子を合わせる政治家がかじをとる中、日本の国民が望む「大国独立の夢」は実現まで非常に長いものとなる。(日本新華僑報編集長 蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月19日