言うまでもないが、日本のこうした「士気かく乱」的な行動に、米国が傍観することは絶対にあり得ず、中日の裏舞台で「小細工」をするのはなにも不思議なことではない。米国が直接手を出さないにしても、日本政界のトップが交替することで、中日間の金融協力が縮小、あるいは停滞する可能性は大きい。自ら暫定的だとする野田内閣が米国の意に沿うことができないとなれば、短命に終わるのは間違いない。
次に、日本の警戒心を利用して中日間に誤解と矛盾を引き起こそうとしていることだ。将来、アジアに単一通貨をとの日本の構想に、人びとはずっと強い警戒心を抱いており、日本の金融界でも数年前の債券市場での中国の売買に対し批判が相次いている。米国が日本との軍事・政治面での協力を強化し、両国の対立的な感情を煽りたて、中日両国の東アジアでの経済一体化とアジア単一通貨をめぐる“争奪”を大々的に広めることで、相互不信が生じ、それがさらに強まれば、中日間の金融協力の各種事業は遅延、解消される恐れがある。
われわれにとって今必要なのは、日本との金融面での協力を重視するとともに、実情にそぐわない盲目的な発展という考えを捨て去って、日本国内、とりわけ金融業界にある警戒心を徐々に取り除いていくことだ。現在、中日はそれぞれ基本的には双方の短期国債を保有しているだけだが、協力が深まっていけば、中長期国債の相互保有もより大きな意義を持ってくるだろう。それを両国は共通の目標にすべきである。中日が互いにそれぞれの国債を保有する、それが制度化され、長期化されることはまさに、国際金融分野でのそれまでの米ドルによる世界統治の終焉が近づきつつあることを物語るものでもある。(文=貴州大学日本研究所・姚勝旬所長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年1月2日