日本の財務省がこのほど発表した2011年の貿易統計(速報)によると、日本の同年の貿易収支は2兆4927億円の赤字となった。1980年にオイルショックの影響で赤字となって以来の赤字となる。
速報値を見ると、東日本大震災や歴史的な円高で輸出が前年比2.7%減の65兆5547億円に落ち込む一方、輸入は12%増の68兆474億円に膨らんだ。原発の一部停止を受け、火力発電向けの液化天然ガスの輸入が37.5%急増したことが貿易赤字の主な原因と見られる。
現状を変えなければ貿易赤字が定着する可能性があり、輸出立国の日本は岐路に立たされている。
一時的なものか、長期的なものか
実際は、2011年12月時点で日本は貿易赤字国に転落することはわかっていた。統計によると、昨年1月から11月の日本の貿易赤字は2兆3000億円に上り、12月はさらに2051億円増え、3カ月続けて赤字となった。
31年ぶりに貿易赤字を計上したのは、東日本大震災と福島原発事故が直接的な原因と見られる。震災で主力輸出品の自動車や電子製品の部品サプライチェーンが一時中断し、その後に回復し、自動車などの生産は震災前の水準に回復したり、上回ったりしたが、円高やタイの洪水、海外経済の下振れなどの要素が下半期の輸出を引き続き抑えた。
統計によると、2011年の日本の輸出額は前年より2.7%減少し、自動車と半導体の部品の輸出がそれぞれ10.6%と14.2%減少した。一方、輸入額は12%の大幅増となり、中でも火力発電燃料の輸入の大幅増が目立った。
日本の安住淳財務大臣は閣議後の会見で、「デフレと人口減少の中、内需の強力な増加は望めないため、輸出による経済成長モデルの弱化傾向が心配されている」と述べ、貿易赤字が一時的なものか、今後の傾向になるのか、分析して対策を検討するよう指示したことを明らかにした。
「一時的な要因」の長期化を懸念