緊急課題は貿易構造の調整
日本政府は2005年、日本は2030年度に貿易赤字国に転落すると予測した。ところが、2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災の影響で、日本の貿易構造の調整は予想より20年も早まった。藤村修内閣官房長官は25日、貿易で利益を得るというこれまでのモデルは変わりつつあると述べた。
円高、日本の製造業の海外移転、韓国などのライバルの台頭および欧米市場の萎縮を受け、日本は近年、中国などの新興国に対する貿易依存度の拡大、海外輸出基地の機能の強化、国内製品の付加価値の向上を進めるなど、貿易体制の調整に取り組んできた。
日本の経常収支は貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支からなり、貿易収支と所得収支は長年にわたって黒字を維持し、日本の経常収支の膨大な黒字のもととなってきた。現在は所得収支だけが黒字を維持しており、貿易赤字がさらに膨らめば、所得収支の黒字だけで補えなくなり、経常収支の赤字逆転も免れない。
日本経済研究センターの岩田一政理事長は、2012年度から日本の原発が全面的に稼動を停止すれば、経常収支は2017年に赤字に転落し、日本は「成熟した債権国」から「債権取り崩し国」に移行すると見ている。また、経常収支が2015年に赤字になるというさらに悲観的な見方もある。輸出で得た利益でエネルギーを購入し、富を蓄積するというモデルをいかに変えるかは、日本政府が早急に検討すべき課題となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月8日