文=コラムニスト・中川幸司
まだほんの僅かではありますが、そろそろ春の気配を感じる季節になりました。
2月も半ばになり、ここ北京でもふっと「あれ?少し寒さが和らいだかな」と思う瞬間があるような気がします。最近は日本でも国立大を始めとして世界にあわせて「9月秋学期入学」の本格導入を検討しているそうですが、やはり近代の日本人の文化に根付いているのは、いまのところ、学校の新学年の季節・ビジネスでの会計年度の季節、そして気候の変わり目、はまだ「春」なんだ、という感覚であります。春の訪れを前に心機一転!の心構えで張り切って行きましょう!
さて、明日2月14日はバレンタインデーです。その文化発祥のキリスト教文化圏ではプレゼントを交換する日でありまして、「女性から男性に」「好きな対象に」「チョコレート」をプレゼントする習慣というのは、日本独特であるともいえました。最近では日本でも「友チョコ」「超義理チョコ」「自分チョコ」「逆チョコ」というように、性別も、恋愛感情もまったく関係なくチョコレートを購入する「お祭り」のようなイベントとなって来ました。さらにチョコレートだけでなくなんでもよい、というような風潮もみられてきましたので、いやはや、日本の「商業イベント化」は恐ろしいものであります。
近年、中国に進出している明治製菓などが仕掛ける「バレン タインデーにはチョコレートをプレゼントしようキャンペーン」が中国の各スーパーなどでイベント展開されています。これに追随して、「DOVE」という中国メーカーも同様のキャンペーンをするようになりまして、中国市場でも次第に、バレンタインデーはチョコレート(ここでは、すべてチョコレート関連のお菓子の意味とします。)をプレゼントするもの、という習慣が伝播してきているように思います。もちろん「一般市民に定着」という段階までには至らず、あくまでも都市部かつ若年層といった流行に敏感なマーケティングターゲット層に普及しだしているという程度であると思いますが、これから数年かけてさらに老若男女に文化として浸透していくことは、あまり不思議ではありません。