現在の日本の「海洋覇権論」が伝統的な地政学的戦略説の範疇を依然脱しておらず、「海洋覇権」争奪の古臭い戦略思考、および中国を戦略上の「仮想敵」とする前提の上に築かれていることは明らかだ。戦前の国策の誤りは日本の国家さらには国民全体に深刻な災禍をもたらし、侵略された多くの国々にも筆舌に尽くしがたい戦争の傷をもたらした。自国の権益を追求する一方で、相手国の理にかなった訴えを無視し、敵視し、排斥し、さらには妨害と封じ込めを図る。このようなやり方は通用しない。
日本と同様に、中国も広大な海洋領土と海洋権益を有する。中国は「大陸・海洋複合型大国」である。早くも明代に鄭和の7度の大航海で、中国の一流の造船・航海技術、および卓越した海軍力と貿易力を示した。中国にとって、海洋事業の発展の強化は、国家安全保障、主権・権益維持、資源環境保護、経済・社会発展のいずれにおいても重要な戦略的意義を持つ。「海外進出」戦略の実施に伴い、中国が合法的な海洋権益を守り、勝ち取ることはすでに歴史の必然となっているのだ。(編集NA)(文:張勇・中国社会科学院日本研究所中日関係研究センター秘書長)
「人民網日本語版」2012年2月25日