資料写真:震災と津波で大きな被害を受けた松島基地
東日本大震災は日本の一般市民に多くの死傷者を出し、財産を失っただけでなく、被災地の一部の自衛隊基地も壊滅的打撃を受けた。特に被害が最も深刻だったのは日本航空自衛隊の松島基地。中国新聞社の記者が防衛省の官僚と同基地を取材、渉外室長基地対外室室長兼広報班長の大泉裕人氏は、「今のところまだ基地がいつ頃元の状態に戻るか目途が立っていない」と話す。
資料写真:震災と津波で大きな被害を受けた松島基地
東日本大震災発生から1年経つが、地震当時の状況を振り返ると不安な表情になる大泉氏。津波が引いた後、基地はどこもゴミや泥だらけで見る影もなかったという。基地に駐機していたF-2戦闘機18機、T-4中等練習機3機、UH-60J救難ヘリコプター5機、U-125飛行点検機2機のほか、軍用車両100台以上と大量の軍用物資全てが海水に浸かったり衝突し、被害にあった。検査の結果、F-2戦闘機6機が修復可能だが、修理費用がかなりかかり、他はすべて廃棄処分される。損失額791億円に上る見通し。
地震発生からまもなく1年になるが、松島基地はまだもとの姿に戻っていない。中国新聞社の記者は、基地の一角に廃棄された大量の車両と航空機、一部損壊した建物がそのままの状態で放置され、壁には津波で浸かった痕がはっきりと残っているのを目にした。大量の軍用機が駐機してあった駐機場には何もなく、閑散としていた。
大泉氏によると、記者が乗ったマイクロバスも臨時に他の基地から借りたものだという。地震後、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」は福岡県芦屋基地にずっと滞在、他の訓練は青森県三沢基地で行っている。記者がいつ復旧するのか訊ねたところ、防衛省は松島基地に津波、地震対策の条件を備えてから訓練を再開するよう求めており、今のところ復旧の目途は立っていないという。航空自衛隊第4航空団司令兼松島基地司令の谷井修平氏は「ブルーインパルスを含む飛行チームの颯爽とした姿が松島に一日も早く戻ってくるよう復旧と基地の設備の補強に努力している」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月7日