表面的な不満の背景にはより深い懸念が隠れている。橋下氏は強い決断力と行動力の持ち主だが、徹頭徹尾の実用主義でもある。彼が率いる大阪維新の会が提案した「維新八策」は民主、自民両党の衰退を背景に、行政改革の名目で民衆を引き付け、各党派勢力を抱き込み、自らの政界における影響力を高めるためのものだ。橋下氏が実際に行っているのは改革ではなく、権力闘争だという率直な指摘もある。
最も警戒すべきは、橋下氏が持つ独裁傾向だ。彼はかつて公の場で「日本の政治に欠けているのは独裁だ」と吹聴した。大阪市長に就任後、前市長の側近をすべて追いやり、前市長が推進していた政策の多くを廃止した。彼のこうした行動に、谷垣自民党総裁は「日本の軍部、ヒトラー、ムッソリーニの勢力が台頭した時代の状況を連想させる」と警告。ファシストならぬ「ハシスト」というあだ名を付ける人まで出てきた。谷垣総裁の政治ライバルへの攻撃との声もあるが、橋下氏を代表とする日本の新世代の政治勢力が日本の政界と社会にもたらすものがより大きな不確定性であることは否めない。それは生活の安定を望む日本人女性にとって、あまり望ましいものとはいえないかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月29日