3月28日、日本のファッションデザイナー山本耀司氏が「如意・2012中国ファッションフォーラム」に出席した。主催者側によれば、5年に渡るラブコールの末、ようやく山本氏を迎えて、彼の卓越した考えを聞けることになったのだという。
その他の年配者と比べて、彼の最大の特徴はそのクールさである。黒一色を身にまとい、手には煙草、長い髪とトレードマークのひげは白くなり始めているが、流行やブームに妥協しないその態度はいつまでも変わらないままだ。その態度によって、彼はファッション業界において常に論議の的となり、周りにはいつも反対の声があった。しかし彼は言う。その反対の声こそが、彼を今日まで導いてきた、しかし、勲章を受章してからは自身の能力を発揮できる場所がなくなったことに気づく。「巨匠と呼ばれるようになって、私は突然方向を見失った。何をすればいいのか、分からなくなってしまった…」
対面取材
◆デザインとビジネス 流行物は創ったことがない
新京報:山本氏のデザインはよく「国境や民族にとらわれない」デザインだと言われるが、それをどう理解している?
山本氏:私は流行も嫌いだし、伝統文化等を守ることばかり強調するのも嫌い。民族の特性を守ることは保守的なやり方で、私はそれを突き破りたいと思っている。全世界のいろいろな地方の文化を吸収して、自分のやりたいデザインをしていきたい。
新京報:ファッション業界にいながら、流行やブームに反感を持っているのはなぜ?
山本氏:多くの人はブームが流行で、季節ごとに流行するものがブームだと誤解している。私はこれまで流行の物を創ったことはく、流行には反対という立場で、常に流行やブームの逆を進んできた。だから自然と、脚光を浴びる華やかな道ではなく、丸木橋を歩いてきた。つまり、私には大きな市場は存在せず、顔がほころぶような売り上げもない。ワンシーズンで商品の一部が売れ、次のシーズンのための材料を買い、スタッフに給料を払う。そうやって今の仕事を続けていければそれで十分だと私は思う。
◆若きデザイナー 君たちの作品は遺産となる