日本中が熱狂「かわいい!」
「貞子3D」が5月12日に全国公開され、「リング」の貞子が再登場した。広告宣伝のため、貞子はプロ野球の試合で始球式を行ったり、渋谷で集団行進したりした。このことから、日本の「幽霊・妖怪文化」が再度話題になっている。日本で行われた「これまで一番怖かったホラー映画は何か」という調査で、ダントツの1位は「リング」だった。貞子は日本の現代文化において「恐怖・怪奇」の代名詞となっている。貞子は多くの日本人の生活に影響を与えている。人々は貞子を恐れもするし、愛しもする。「貞子探し」という怪奇体験イベントあるいはバラエティイベントは、人々をおびえさせるとともに楽しませている。幽霊や妖怪を恐れながらもひきつけてやまない日本人の心情がうかがわれる。
貞子の故郷は伊豆
日本で最も有名な女の幽霊である貞子は、名を山村貞子という。日本の著名な作家、鈴木光司氏が1990年代に書いた連載小説「リング」の主人公だ。日本人にとって、「リング」の貞子のイメージは極めて印象的である。黒髪と白衣、顔が隠れた長髪は、いかにも恐ろしく、全身から恨みがにじみ出ている。彼女は毒を持っており、命を奪うためにテレビから這い出てくるさまは、全ての日本人の無意識にある恐怖感をあおる。しかし、貞子は完全な想像の産物ではない。小説「リング」は、明治時代の2名の超能力を持つ女性、御船千鶴子と長尾郁子の奇怪な事件を取材したものである。この2人は実在の人物で、それぞれ千里眼と透視能力があった。貞子という名前は、当時有名だった怪奇現象専門家だった東京文化大学教授の福来友行氏の娘の名前から来ている。福来教授が彼女たちを発見したことから、2人の「超能力者」は有名になった。福来教授の故郷である岐阜県高山市では、今でもその実家と怪奇研究博物館が残っており、「貞子まんじゅう」が売られている。小説では、貞子は伊豆の差木地村(いまの大島町)で生まれたことになっている。ここは「貞子の故郷」と呼ばれており、当地の人が小説のディテールに基づいて貞子一家が開いた旅館があった場所を突き止め、貞子が落とされた井戸も見つけている。
「貞子を探せ」が大人気