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3・11地震発生後、被災者への救援活動に対し、日本国民すべてが高い関心を持っていた。食品、衣類、生活用品などの物資的な支援のほか、被災者のメンタル・ケアの重要性も大きく取り上げられていた。だが、実際のところ、その効果は如何ほどだったのだろうか?日本の華字紙・『日本新華僑報』が伝えた。
先だって、厚生労働省が発表したデータは我々を震撼させた。3・11地震の生存者のうち、「災害関連死」といわれる、地震と間接的に関わる原因により死亡している人が、この1年間で1,600人以上いたのである。被災者の精神的ショックによる自殺がほとんどだ。先だって「読売新聞」の掲載記事に、自殺した被災者の心の中をつづった日記が紹介されている。
小田切さんは、津波で自宅を流され、夫と一人息子は行方不明のままだ。自宅から遠く離れた仮設住宅で独り暮らしをしていた彼女は毎日が憂鬱であった。何故なら「心のケア」ボランティアが毎日のように訪ねてくるからだ。派遣元は違っていてもボランティアの言うことはみな同じだ。小田切さんは毎日こうした人らに訪問されるのに辟易していた。それでも作り笑いをして感謝の意を示さなければならない。そのため彼女はボランティアによる訪問を一切拒否することにした。なぜなら、ボランティアらが自分をメンタル面で救えるはずがないと思ったからだ。
小田切さんが精神的に病んでいるのだと思った「心のケア」ボランティアらは、何度も何度も小田切さんを説得し、入院して治療を受けることを承諾させた。だが、病室が2人部屋であることを入院する日まで知らなかった小田切さんは怒り、入院の手伝いに来てくれたボランティアに当たり散らした。そのボランティアはそのことは知らず、小田切さんの荷物を片づけるのを手伝っただけなのだが、小田切さんはヒステリックに彼を責めた。最終的にこのボランティアの上司に当たる人までもがやって来て謝ったことでようやく怒りを鎮めたのだった。