文=コラムニスト・中川幸司
みなさんこんにちは!6月になりました。
中国の学校では6月・7月が年度終わりの時期ですので、期末テストのため(?)に路上でも歩きながらプリントアウトした紙をみつめている学生さん、また大学内では卒業される学生さんたちが卒業服・学位服・学位ガウンを着る姿も目にする季節です。日本で言えば3月頃卒業シーズンの様子でしょう。季節・気候の差異のせいなのか、または、卒業手続きの煩雑さの差異のせいなのか、日本の卒業シーズンは「厳かでふわっとした雰囲気」があるのですが、中国のそれは「快活でせわしない雰囲気」といった表現があてはまりそうな気がします。
卒業服をヒラヒラさせながら、自転車にのって(卒業手続きの場所が一箇所でなく、かなり多くの複数学内機関で処理せねばならず、それぞれの機関が遠いので)、急いで学内の各所を走り回る姿は、中国式卒業の風物詩だなぁと思います(笑)。
いまニュースで話題になっていることのひとつ、中国の宇宙船「神舟九号」の完成により、ついに中国が本格的に宇宙進出することが見えてきましたが、この話題の中核は中国経済発展の象徴やこれからの産業利用というよりも、宇宙技術に関しての外交課題、軍事課題等となっていくでしょう。ただし、これら外交・軍事課題において国際的な取り決めが不透明な部分がまだまだ多く、これからの世界レベルでの調整について宇宙技術保有国を中心に本格的に議論が始まっていくのでしょう。比較的高度な宇宙技術を有する先進国であり、国際宇宙ステーションにも貢献してきた日本も蚊帳の外というわけではありませんが、日本のこれまでの「外交ベタ」を考慮すれば、外交課題、軍事課題の範囲においては、不本意ながら知らず知らずのうちに世界の蚊帳の外におかれてしまっている状況になるのかもしれません・・・。
さて、今回は宇宙開発産業の話ではなく、宇宙より、もう少し近い天空のお話、民間旅客機産業・商用航空機産業(今回のコラムでは航空機とは、軍事用ではなく、すべて民生用を指しています。)についてです。
資料写真:関西国際空港を拠点にした日本で初めての本格的なLCC・「Peach (ピーチ)」
エアライン各社については日本でも最近の話題はLCC(Low Cost Carrier)とよばれる格安航空会社なども出てきましたが、伝統的な航空会社によるフライトサービスにせよ、LCCのフライトサービスにせよ、それらに使われている大型民間旅客機の機体を「提供」する航空機メーカーは米国のボーイング社と欧州のエアバス社のたったの2社であります。これは経済学で言われる「寡占」状態ですので、産業交渉力のバランスから、様々な面でかなり大きな問題(経済的にも、政治的にも)となることは容易に想像されます。
中川幸司さんのブログ「情熱的な羅針盤