米国、日本から漂着した「津波ごみ」を精査

米国、日本から漂着した「津波ごみ」を精査。

タグ: 東日本大震災 米国 津波ごみ

発信時間: 2012-06-16 13:54:37 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

福島原子力発電所の放射能漏れ事故が起こってから1年あまりが経過したが、放射能汚染問題はまだ解決の糸口もつかめていない状況だ。鉄筋コンクリート製の大型浮桟橋がこのほど、米オレゴン州中部にあるニューポート海岸近くの浜辺に漂着した。浮桟橋の金属製プレートに表示された日本語は、はっきりと判読できる。駐ポートランド日本領事館は、プレートに表示された通し番号、期日、製造業者などの情報から、昨年の津波によって青森県三沢市から流れ着いたものと確認。検査の結果、この浮桟橋は、放射性物質によって汚染されていないことが判明した。しかし、生物学分野の専門家が、桟橋に付着していた日本海原生のヒトデを発見、これが放射性物質を含んでいないかどうか、さらに詳しく調査を行う必要があるとしている。人民日報が伝えた。

▽ 米国の海岸に流れ着いた日本の「ゴーストシップ」

福島県が5月に発表した最新報告によると、海産物120種類を対象とした放射性物質の検出調査を行ったところ、31種類から基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。専門家は、これは、海底土壌に含まれる放射性セシウムが海洋の流れに乗って拡散しなかったためと指摘。放射性セシウムを含む海水中で、表層部の生物の死骸や糞便が海底に沈み堆積し、カニなどの甲殻類や貝類がそれらを食べ、食物連鎖によってヒラメなどの海底に棲む魚類にまで汚染が拡大したという。

しかし、放射性セシウムに汚染された魚類が発見されたのは、日本だけではなかった。広大な太平洋で隔てられた米国でも見つかったのだ。「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」5月28日号によると、日本の海域から約1万キロメートル離れた米国西海岸まで回遊するクロマグロの体内から、福島原発事故で漏出したと見られる放射性セシウムが検出された。その含有量は、1年前にカリフォルニア州海岸から日本に泳ぎ着いたマグロの10倍に達した。ニューヨーク州立大学ストーニブルック校海洋科学部のニコラス・フィッシャー教授は、「研究者の間では、大型魚のからだに付着した放射性物質は、海洋を長距離移動する間に海中に融けだしてしまうと認識されていた。しかし、太平洋を横断する体長3メートルのマグロの体内には、依然大量の放射性セシウムが残留していた。これは、過去の認識を大きく覆す驚くべき事実だ」とコメントした。

このほか、米国やカナダの西海岸にはこのところ、東日本大震災被災地から津波によって流されたもろもろの残骸やごみが次から次へと到達しており、専門家や社会各界の間で、「大規模な環境破壊」がもたらされるとの懸念が広がっている。今年3月末、青森県八戸市の港に係留されていた全長50メートルの船舶が、7500キロメートルを漂流してカナダ西海岸にあるクイーン・シャーロット諸島の沖合に姿を表し、その後、米アラスカ州の沖合に入った。沿岸部の環境破壊を心配した米国海岸警備隊は、4月初め、この錆びだらけの「ゴーストシップ」を撃沈した。

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