文=コラムニスト・陳言
「親子孫3代に渡り富み栄えることはない」ということわざがあるが、これはそもそも相続税を指していたわけではない。20年前の日本のバブル経済時代、多くの人が相続税の納税により破産に追い込まれた。現在日本が推進中の税制改革は、相続税を再び人々の暮らしの大きな負担としている。
大富豪や企業経営者のみが、相続税問題について頭を悩ませるわけではない。民主党が推進する税制改革では、最終的に一般国民の4分の1を、相続税の納税対象とする予定だ。民主・自民・光明3党は相続税の問題について、ほぼ見解を一致させた。2015年1月1日より、納税基準を引き下げ、納税率を引き上げ、死亡保険も課税対象となる。
これまでの相続税は、5000万円+(1000万円×法定相続人の人数)以内であれば非課税で、主な課税対象は住宅と貯蓄であった。ある家庭で夫が亡くなり、妻と二人の子供が残された場合、8000万円(5000万円+1000万円×3人)以内であれば非課税となる。民主党は現在、課税の最低基準を4800万円まで引き下げることにより、課税対象を拡大する構えだ。
2009年、日本の相続税の納税率は4.1%に達し、税制改革後は同比率が6%に達する見通しだ。相続税はすでに、日本の一般国民の暮らしに影響を与え始めている。東京の企業職員が住む一部の住宅街では、相続税を納める必要のある人が20%以上に達する。