日本のベテラン政治家である小沢一郎氏は11日、48名の国会議員で新党「国民の生活が第一」を旗揚げし、野田政権による消費増税への反対を宣言した。これにより、政党間の連携や政界に新しい動きを引き起こす可能性が出てきた。
野田首相が党全体を指揮
小沢氏が民主党を離党して新党を結成したことで、民主党の衆議院における議席数は250にまで減少し、あと11席で過半数割れとなってしまう。もし今後再び民主党から揺れ動く議員や離党議員が出れば、野党が提出する内閣不信任案によって野田政権は崩壊してしまうことになる。
その一方で、党内最大のライバルを追い出した野田総理には、全面的に民主党を指揮し、党内団結を復活させるチャンスが与えられた。
「政策の実行という点から見れば、小沢氏の離党は野田政権にとってプラスに働く。党内摩擦の元凶が消えたことで野党との連携もスムーズになる。」政治アナリストの伊藤敦夫氏はロイター通信の記者にこう語る。「ただ、議席数から見ると、野田政権は力を失ってしまった。」
野田政権の抱える難題は、今後、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の協議等のデリケートな議題を推進していけば、党内外からは必ず反対の声が上がる。そこで、小沢新党やその他の野党が連携して圧力をかけてくるようなことになれば、野田政権は衆議院を解散し、選挙を前倒しせざるを得なくなる。民主党政権はこうして幕を閉じるというのが、民意調査でも出ている結果だ。
盟友を求める小沢氏