これは中日間に鋭い緊張を引き起こす可能性があるが、われわれはこうした緊張の出現を恐れてはならない。この緊張を取り除くには、釣魚島の「新たな現実」の下で中日双方が共に後ろに退き、海上の平和の責任を両国が平等に分担しなければならない。仮に釣魚島で軍事的摩擦が起きても、中国は緊張するには及ばない。本当に交戦する考えが中日共になければ、こうした摩擦の激しさは自ずと一定の程度で踏みとどまるのだ。
中国にとって日本は領土紛争を抱える周辺国の中で最強だ。日本ののさばりに打撃を与えれば、その余勢は自ずと南中国海へと広がる。これは対日「戦争計画」ではなく、日本の対中強硬政策に対する断固たる報復であり、衝突瀬戸際政策によって、日本社会が中国に対して冷静さを取り戻さざるを得ないように仕向けるものだ。
これは中国にとって何ら良い選択ではないかも知れないが、行わざるを得ない選択である可能性が高い。釣魚島をめぐる中日の対立はかくも複雑であり、「良い選択」などそもそも存在しないのだ。
困難な選択をする際は、中国社会の本流が何を望んでいるかをより考慮しなければならない。これは外国の反応よりも重要であり、今後中国政府が内外政策を統合的に定める際によく覚えておくべき原則だ。これは周辺国との領土紛争についてすでに中国が各国に公開した「暗黙のルール」でもある。中国はこれを断行して初めて、リスクを御する力をより多く持つことができるのだ。
「人民網日本語版」2012年8月23日