ソフトパワーはなにも新鮮な事ではない。この概念はジョセフ・ナイ氏が提唱したが、中国の歴史においてもずっと存在していた。論語には「故遠人不服則脩文徳以来之(故(ゆえ)に遠人(えんじん)服せざれば、則ち文徳を脩(おさ)めて以て之を来(きた)す」とある。こうした道徳、文化の感化を通じて他者に影響を与える方法がソフトパワーの核心だ。中国の伝統文化と昨今の中国社会にはソフトパワー的要素が数多く存在する。政府と社会が協力してこれら無形の資源を統合し、中国の対外戦略に組み込む必要がある。政府はソフトパワー強化に関する政策・体制にすでに多く取り組んでいる。その代表が海外での孔子学院設立、外国人学生に対する中国留学支援、アジア・アフリカ・南米諸国への対外支援展開などだ。
東アジアの国は伝統文化の中に非常に多くの共通性がある。なかでも中日韓は過去に儒教文化圏の中心国であったし、その他多くの国も儒教思想の影響を深く受けている。それは共通の文字、政治制度、文化、習慣などにみられ、中国が東アジアでソフトパワーを発揮するのに先天的に優位な条件を与えている。
中国が対外政策でソフトパワーを重要視し、特に東アジア各国との交流において巧みにソフトパワーを用いれば、東アジアの緊張情勢緩和に大いに役立つだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年3月13日