シンガポール紙・聯合早報は13日、「日米は互いにアジアで演じる役割(と相手に期待する役割)に対し認識上のギャップがある。米国人は中国と慎重にやりとりするつもりであるため、日本の新政府のタカ派が面倒を引き起こすのを懸念している」と指摘する元フランス外交官の陳有容氏の文章を掲載した。陳氏は日本、米国、シンガポール、中国での駐在経験がある。
オバマ大統領は1期目に4年で4人の首相が交代したのを目の当たりにしたため、安倍首相がどれだけ長続きするか、彼と真剣に議論していいものか態度を保留して様子をみている感がある。安倍首相の訪米前に米国議会に提出されたある報告は、訪問予定の安倍氏は「タカ派」の人物で、彼が持つナショナリズムとリビジョニズム(修正主義)の立場は日本の隣国の怒りを買い、すでに一触即発の北東アジア情勢をより不穏にする可能性があると指摘する。
米国は日増しに強硬かつ欠かせない存在になる中国との交流に微妙なバランスを保つ必要がある。安倍首相のタカ派の態度によって米国が中国との武力衝突に巻き込まれるのを懸念するオバマ大統領は安倍首相との会談で薄氷を踏むような感じだったに違いない。
また、安倍首相は緊密な日米同盟関係の再構築とともに、中国との反目が強まるなか、米国からの強い支持を確保することを望んでいた。しかしオバマ大統領は会談で中国に関してはほとんど触れず、日本人を失望させた。安倍首相が米国に出発する前、オバマ大統領が注目しているのは中国と日本の緊張関係緩和であって、日本が中国に対してどれだけ強硬かではないとワシントンは非公式に日本政府に通達した。