では、「雷鋒」を知らない日本では、「雷鋒精神」のようなものが存在しないのだろうか。答えは否である。「雷鋒」のような存在は日本にも存在する。下図のような、虎のマスクをかぶった「伊達直人」こそ、中国のメディアで伝えられる「日本の雷鋒」なのである。
伊達直人は日本の古いアニメ「タイガーマスク」の主人公である。孤児院で育ち、大人になってプロレスラーになる。プロレスで獲得した賞金を孤児院に寄付する、善良な人物である。
2010年のクリスマス、日本の多くの孤児院に、「伊達直人」と名乗る匿名の人物からクリスマスプレゼントが届けられた。2011年の春、子供たちが入学する頃も、多くの孤児院に「伊達直人」から新しいカバンや文房具が贈られた。
最初の「伊達直人」が出現して以来、全国各地で「伊達直人」が増え出した。なぜなら「伊達直人」はアニメ「タイガーマスク」の主人公であり、慈善を行う匿名行為の象徴だからだ。日本のメディアはこれを「タイガーマスク運動」と名付けた。日本メディアの調査によると、2010年のクリスマスから2011年1月15日までの短い期間で、日本各地の孤児院や幼稚園などでは、「伊達直人」からのプレゼントが1000件以上贈られたという。子供たちに贈られたカバンは合計750個以上、現金・商品券は約3200万円だった。