日本経済産業省は先ごろ、愛知・三重県沖の海底でのメタンハイドレートの試験採掘でガスの採取に成功したと発表した。海底のメタンハイドレートからのガス採取は世界初となる。日本のメディア「ネットアイビーニュース」は、今回の試験採掘の成功を「資源国・日本への道が開ける」と論評している。
エネルギーの浪費やその対外依存度を早く減らしたいと考える中国にとって、今回の日本の試験採掘の成功は教訓となるものであり、また、中国のメタンハイドレート研究開発に警鐘を鳴らすものである。中国科学院広州エネルギー研究所の副所長で、中国科学院広州ガスハイドレート研究センターの常務副主任である呉能友氏は取材に対し、新エネルギーにおいてメタンハイドレートは重要な地位を占めており、日本など先進国家との技術的距離がさらに広がれば、今後のエネルギー構造に深刻な影響を及ぼしかねないと指摘する。
メタンハイドレートは、長期間の凍土地域や水深400メートル以上の海底に沈殿しており、そのうち海底のものが99%を占める。「現在、陸地にせよ海底にせよ、メタンハイドレート採掘技術は日本が世界一だ」と呉能友氏は指摘する。
クリーンで高効率な天然ガス資源のひとつとして、1980年代から、日本やロシア、アメリカ、カナダなどでは、陸地と海洋のメタンハイドレートの研究が進められてきた。
世界的に見れば、アメリカ政府は最近の不景気から開発費を削減させてきた。一方、日本政府は一貫して巨額の開発費を投入し続けてきたが、それは国土の資源不足に加え、福島原発事故後の原発推進の停滞が関係している。