中国投資有限制責任公司顧問・エネルギー業界研究員の任浩寧氏は取材に対し、「日本の成功は他の国家や企業に対し、大切な教訓を与えている」と述べる。
長期にわたってメタンハイドレートの研究をしてきた呉能友氏は、今回の採掘は地球深部探査船「ちきゅう号」が使用されたと解説する。採掘は水深約1180メートルの地点で行われ、海底下260メートルを掘った。実験エリアでは採掘穴1か所と、観測穴3か所の計4か所が掘られた。埋蔵量は日本全国のエネルギー消費量の14年分だと推定される。
はるかに遅れている中国
現在、技術的に未熟であることと費用が高すぎること以外にも、メタンハイドレート採掘の安全性が争点となっている。
こういった懸念に対し呉能友氏は、科学技術の発展につれてこれらの問題も最終的には解決できるとの見方を示す。「クリーンエネルギーであるメタンハイドレートは今後徐々に既存の化石エネルギーの代わりになっていくことは疑いない」。
大気汚染がますます悪化し、石炭を主エネルギーとする構造を早急に変えていかなければならない中国だが、メタンハイドレート研究開発は日本にくらべて十数年の遅れをとっている。日本の21世紀初頭のレベルに過ぎないと、呉能友氏は指摘する。
すでに1990年に、中国は国外のメタンハイドレート採掘の研究開発に注目し、2002年には正式に南海北部海底でメタンハイドレート資源調査をスタートさせている。ただし当時、日本ではすでにカナダと共同で陸地におけるメタンハイドレートの試掘を行っていたのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月30日