この他、円安の問題もある。安倍政権発足以降、円安は約10%進んだ。為替レートの変動に対応して、中国野菜も1割高くなった。円安がさらに続けば、中国産の価格が上昇し続けるのは必至だ。
だが中国産野菜の総生産量のうち海外供給分は小さな割合を占めるに過ぎない。野菜価格上昇の根本的原因は、やはりコストの上昇だ。これには土地、人件費、化学肥料などのコストが含まれる。様々なコストが積み重なって価格も上昇する。実は中国産野菜の高騰を最も肌で感じているのは中国の庶民だ。
中国産野菜の状況は、まさに「Made in China」の1つの縮図だ。過去30年間ずっと「Made in China」は品質が良くて値段が安いことで世界中でよく売れてきた。だがここ数年、品質の良さは元のままだが、価格が上昇した。上昇し続けるコストを前に、一部企業は生産拠点を中国沿岸部から内陸部へ、あるいはベトナムやカンボジアへ移転せざるを得なくなっている。