中国のコスト上昇は、一部は以前の低賃金・低待遇の埋め合わせ的なものだが、一部は改革が徹底されていないことのつけだ。これには「シェールガス革命」のインパクトもある。米ボストンコンサルティンググループの研究によると、米国は生産性調整後の人件費が中国のレベルに近づきつつある一方で、天然ガスのコストは中国を下回っている。これは米国の多くの大企業が次々に米国に戻っていることの重要な原因でもある。
エネルギー消費率が高く、効果と利益の低い一部企業が生産拠点を移すことは経済モデル転換の客観的法則に合致するが、中国の一部地方にとっては産業移転は税収の減少、雇用の流失を意味する。ある程度の汚染軽減にはなるが、代わりに新たな、さらにハイレベルの産業が来ない場合、空洞化した都市が残り、より深刻な問題をもたらす。