リッピ監督の回答は当然、日本の記者たちを十分に満足させた。さらに日本の記者が、「中国のサッカーが成長中の現在、その優位性はどこにあると思うか。中国サッカーは今後どんな成長をしていくと思うか」と尋ねた。
これに対しリッピ監督は忌憚なく、中国サッカーの問題点を指摘した。「中国サッカーはチーム全体の戦法や支配力など、あらゆる面で進歩している。しかし他国または他地域と比較した場合、中国サッカーは試合のリズムが遅く、スキがあり過ぎると感じる。攻撃性やプレッシャーをかけることに対するレベルも高めなければならない」。これを聞いた日本の記者は、きっと心で笑っていたに違いない。
日本の記者から見ても、広州恒大チームは強いかもしれない。アジアカップのチャンピオンになれる強さを持っているかもしれない。しかし彼らは、広州恒大は決して中国サッカー全体の実力を体現したものではないと思っている。全体的に見れば中国サッカーは依然として弱く、日本のサッカーを凌ぐものではないと見ているのだ。
彼らの優越感には根拠がある。中国の某紙記者が飛行機で成田国際空港に降り立ち、リムジンバスで浦和レッズの拠点である埼玉スタジアムに着くまで、およそ1時間半かかった。バスが荒川を通ったとき、川の両岸にある10数面ものサッカー場全てで小中学生たちがサッカーボールを蹴る姿を見た。同じ時刻、中国の小中学生のほとんどが補習授業をしていることだろう。子供を無理やり各種補習授業に行かせるくらいなら、小さい時からサッカーをやらせたほうがいい――。日本人の父母は本当にそうしているのだ。一方の我々は、まだスローガンを叫んでいる段階である。このような状況が続けば、両国サッカーの行く末がどうなるかは一目瞭然ではないか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年4月28日