5月3日は日本の憲法記念日であるが、安倍晋三首相はここぞとばかりに「強硬姿勢」をアピールし、憲法改正への「地ならし」をしている。しかし、最新の世論調査で過半数の国民が改憲に反対していることが明らかになり、安倍首相は冷や水を浴びせられた形だ。安倍首相の改憲計画はもはや本末転倒であるとの見方もある。
共同通信社が発表した最新の世論調査によると、憲法96条を改正し、衆参両院で改憲発議に必要な条件を「3分の2以上」から「過半数」に緩めることに関して、「反対」が46.3%、「賛成」は42.7%だった。一方、『朝日新聞』が同日発表した世論調査によると、自民党が主張する「憲法96の改正」に「反対」とした人は54%に達し、「賛成」の38%を上回った。また、戦争の放棄を定めた憲法9条の改正について、「改正するべきではない」が52%、「改正する必要があると思う」の39%よりも多かった。自民党と連立を組む公明党は3日、「憲法記念日アピール」の文書を発表し、憲法96条の改正問題に対し、明確に反対の意を示した。5月1日、東京の代々木公園で開催された全国労働組合総連合(全労連)の第84回メーデー中央集会には4万2000人が集まり、憲法改正反対を訴えた。
「国会だけ見ていると、改憲ムードが非常に高まっているが、国民は割合冷静に見ている」と神戸大学の憲法学専門家である浦部法穂名誉教授は述べ、「そもそも憲法改正権は国民にある。改憲の必要があるとの声が国民の大多数から出て初めて、国会で議論すべきだ。今の内閣と国会が、憲法が都合が悪いからといって、改憲を主導するのは本末転倒でおかしい」との見方を示した。共同通信社は「デフレからの脱却を目指すアベノミクスへの期待感から、内閣の支持率は70%を超える一方、野党は連携体制を作れずにいる。そんな中、タカ派の安倍カラーが徐々に出始めている」と指摘した。