安倍晋三首相は昨日、「日本再興戦略」と呼ばれる経済成長新戦略を発表し、1人当たり名目国民総所得(GNI)を今後10年で150万円増加させるとした(年間平均成長率3%に相当)。しかし意欲的に見える安倍首相は、冷水を浴びせかけられるかもしれない。業界はこれに対して、賛成よりも反対の反応を示しているからだ。
日本再興戦略は、産業振興、民間投資の刺激、行政規制の緩和、貿易自由化の拡大を支柱としている。同戦略に基づき、日本政府は今秋「産業競争力強化法案」を提出し、減税などの優遇措置により企業の設備投資を刺激し、今後3年間で民間設備投資を10%増とする。日本政府はさらに東京などの大都市に「国家戦略特区」を設置し、外国の投資と人材を引き付ける予定だ。
国際金融問題専門家の趙慶明氏は、「安倍首相の経済政策が、日本経済の核心的な問題に触れているとは思わない。日本の経済データは第1四半期に大幅に改善され、株式市場が全面高となり、一部の大企業の業績が急速に成長した。しかしこれは米ドルに対する円相場が下落し、米ドルから両替できる円が増え、企業の業績が良くなったように見えるだけにすぎず、企業の競争力が上がったわけではない可能性がある」と指摘した。
早稲田大学のエコノミストの野口悠紀雄氏もまた、「アベノミクスの超量的緩和策は海外の大量の投機的資金を流入させたが、投資資金を引きつけていない」と分析した。この見方は、見掛け倒しのアベノミクスを暗に批判しているかのようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年6月18日