日本もかつて幾度となくこの「戦略」を使ってきた。19世紀以降、日本は西洋列強の強制「開国」に刺激され、「明治維新」へと舵を切った。中国やロシアに対する戦争が日本を軍国主義の道へと推し進め、太平洋戦争に敗北した結果、それが戦後の「経済大国」実現に繋がったのである。
今の日本は、未だに米国との経済競争の結果もたらされた「第二次敗戦」後の低迷期から抜け出せておらず、目標も原動力も欠乏した社会状況にある。しかし、中国の急速な勃興が、まさに日本に次の「ゲーム」の機会を与えた。日本は再び政治大国、「一流大国」にのし上がろうとしている。中国という「仇」の「脅威」を利用するには、今がチャンスなのだ。
当然、中国も日本の脅威を利用して自国の目標を実現することが可能である。中日間の争いは、今後どちらがより巧みに、より上手く相手の脅威を利用し、自国の大きな目標を実現するかというターニングポイントに差し掛かっているようである。
相手の脅威に打ち勝つか、相手の脅威を逆手に取るか、中日間の駆け引きは、この両者の転化によって展開されつつある。(春秋総合研究院研究員 文揚)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年8月20日