次にケネディ次期駐日大使は3カ国の経済・貿易協力促進に努力する必要がある。中国経済は調整しつつ成長を続け、米国、日本、欧州もこの5年で初めて同時に成長を実現した。世界経済はすっかり危機から抜け出したとはいえないが、トンネルの先に光が見えてきた。景気回復の見通しに支えられ、世界貿易は今年の最終四半期にはやや伸びが予想される。中米日欧は輸出の歩調を加速、世界市場からより多くの製品を買い求める見通し。これが回復の基盤をさらに固め、世界はその恩恵を受ける。経済は一国の最大の政治であり、外交の中で最も核心的な国家利益といえ、中米日の経済貿易関係は現在世界で最も緊密な関係にあり、依存し合っている。そのためケネディ次期駐日大使は3カ国の経済貿易協力促進という要点さえつかめば、全体は解決され、使命を全うすることができる。
最後に日本がよりオープンで理性的な道を進むよう促す必要がある。東京の五輪招致成功は経済停滞、偏った政治からの脱却、心理的不安の緩和、民族の誇りを高めることにつながり、平和で満たされた日本の東アジア、米国、世界に対する積極的な役割は言わずとも知れている。2010年に米国がアジア太平洋へのシフト、戦略的リバランスといった政策を進めて以来、日本の急速な右傾化は誰もが認めるところとなっている。英フィナンシャルタイムスは最近、東京に長期滞在する西洋人の目には「今回の政府は1945年以来ナショナリズム色の最も濃厚な政府」と映っていると報じた。ケネディ次期駐日大使は、日本に必要のない不安を捨て、オープン、協力、発展の気持ちで今の世界の変化に向き合うようにし向けることが日本に対する本当のいたわりであり、アジアの平和を推し進め、さらには米国の核心利益に貢献することにもなる。(金嬴 中国社会科学院日本研究所副研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月23日