映像交流の最も典型的な例はマンガ・アニメ。日本のマンガ・アニメは中国で間違いなく巨大な市場と影響力がある。中国のマンガ・アニメは世界にあまり知られていない。60年代に上海美術映画制作所が制作したカラー長編アニメーション映画「大暴れ孫悟空」(原題:大鬧天宮)は世界的に高い評価を受け、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭の短編映画特別賞、ロンドン国際映画祭の最優秀映画賞、キト国際児童映画際の3等賞などを受賞し、世界44カ国・地域(英国、日本、香港、台湾、東南アジアなど)に輸出され、放映された。それより前には長編アニメーション映画「西遊記 鉄扇公主の巻」(原題:鉄扇公主)が日本に影響を与えた。日本のアニメ「鉄腕アトム」の原作者で日本漫画の第一人者である手塚治虫氏は「鉄扇公主」に影響を受け、医学の道を捨て文学の道に進み、アニメ制作に携わることを決めたといわれる。
映像交流でもう一つ重要な分野がドキュメンタリー。日本のNHKなどのテレビ局は中国に注目し、「激流中国」や「中国鉄道大紀行」など中国を対象とするドキュメンタリーを数多く制作し、中国の一般人のいたって普通の事に注目し、日本社会の中国への理解を大きく促した。「中国鉄道大紀行」は関口知宏氏が中国の鉄道を利用して各地を旅する様子が忠実に記録され、日本の視聴者にありのままの中国の情景や中国人を伝えた。番組には、「この番組を通して中国への理解をより深めた」「中国や中国人に対する印象が180度変わった」というメッセージが届いている。
中日の映像交流はかなり普及し、中国人の俳優が日本映画に出演したり、日本の俳優が中国のスクリーンで活躍したり映像制作・放送方面の交流・協力も広がっている。複雑で敏感、不安定な中日関係だからこそ映像交流・協力をいっそう強化し、相互理解を増進する必要がある。「半沢直樹」「宮廷の諍い女」など高視聴率の作品はもっと大規模に相手の国に売り込むべきだ。