公共の場で大声で喋る、バイキングで食べ物を大量に無駄にする、列に割り込む、発着が遅延で空港で大騒ぐ、世界的に有名な遺跡に落書きなど、中国人観光客の渡航先でのマナーの悪さが近年国内外で度々指摘されている。
日本工学院大学孔子学院の李順剛(リー・シュンガン)副院長は、中国人は恥を海外で晒しているのだが、その根本的原因は国内にあると指摘する。20年来、中国は俄かにグローバル化の仲間入りを果たしたが、多くの中国人が急な変化に適合できずにいる。これまで国内では目立つことのなかった行為を海外に持ち出し、マナー違反になっている。日本では小学校から社会の授業があり、国民の権利や義務が教えられ、個人と社会のあり方を学ぶ。一方の中国は公民意識の教育に欠けているため、今後公民の道徳教育と公民という身分への認知を深めていく必要がある。