東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議や東アジア首脳サミットなど一連の会議を終え、安倍首相と夫人は10日深夜に東京に戻った。日本新聞網が伝えたところによると、安倍首相はASEANを味方につけ、中国牽制の「南中国海行動規範」を策定するという望み通りの結果を持ち帰ることができなかった。岸田文雄外相は今年5月からASEAN首脳会議の議長国であるブルネイに「公正な判断」をするよう働きかけてきた。首脳会議では安倍首相も繰り返しそれを呼びかけたが、ブルネイは曖昧な態度を続け、日本が最もしっかりした南中国海安全保障のパートナーと見込んでいるフィリピンでさえ日本にそれほど同調しなかった。中国の強大かつ実質的な「経済カード」で安倍首相の架空の「政治カード」は弱まり、最終的に安倍首相は一人では何もできない立場に追い込まれてしまった。環球時報が伝えた。
日本の産経新聞グループの総合経済情報サイト、SankeiBiz(サンケイビズ)は、議長声明の最終草案は、「国際法に基づく平和的な紛争解決」などを盛り込んだが、南中国海の文言は明記しなかった。中国を過度に刺激しないための配慮とみられると伝えた。朝日テレビは、南中国海問題は本来米国が表面に立って受け持つべきだが、オバマ大統領は欠席、ケリー国務長官も発言しなかったため、安倍首相は孤軍奮闘する形となった。日本が積極的な平和主義と集団的自衛権の行使についてASEAN諸国に理解を求めたことに関して、韓国紙・朝鮮日報は、ベトナムとフィリピンだけが積極的に賛同する態度を示したが、他の国は中国との関係をはばかって話をそらしたと伝えた。日本の東洋経済誌は、再登板後安倍首相は頻繁に各国を訪問しているが、五輪開催のチャンスを獲得した他ほとんど成果はなく、無駄足を踏んでいる感が否めない。今後安倍外交は本当の試練を迎えると指摘した。
日経新聞は、ASEANはどうにかして中日両国の外交バランスを維持しようと努めていると報道。中国の新指導部による経済攻勢で、中国への批判は弱まってきている。中国の習近平国家主席は領海紛争が存在するマレーシアに輸入拡大を約束、軍事協力の強化の合意も取り付けた。マレーシアのナジブ首相は米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で消極論を唱え始めた。ただ、中国への過度な接近に反対する声も根強くある。東アジアの関係者の中には「中国だけの強大化を防ぐため、日本との協力を強化する必要がある」という声もある。