取次販売業者は、「中日の不安定な政治関係により、一部の日本企業は中国で大規模な戦略的資金の投入を避けている。中国粉ミルク市場は近年になり急速に拡大し、欧米メーカーは巨額の投資によりシェアを獲得している。明治は投資が小規模で、かつ上海市・江蘇省・浙江省の華東市場のみに注力していた。これでは業績不振に陥るのも自然なことだ」と語った。
また明治の内情に詳しい乳業関係者は、「明治は長年に渡り大地域の代理販売路線を歩んでおり、自社の販売チームを発足していなかった。販売は業者任せで、ブランドの知名度も欧米ブランドには及ばず、市場シェアを勝ち取ることは容易でない。職員を派遣せず、宣伝も販促も手がけなければ、誰もついてくるわけがない」と指摘した。
中国2位のオンラインショップ・京東商城に、興味深いデータがある。アボット製粉ミルクの購入後の評価は6万件以上に達しているが、明治は77件のみなのだ。
2010年に日本で大規模な口蹄疫が発生し、明治の粉ミルクが輸入禁止となった。その後さらに原発事故による放射能汚染の危機に見舞われ、明治は中国市場を再会するため、原産地を日本からオーストラリアに切り替えた。しかし明治の忠実な愛好者は、オーストラリア産ではなく日本産を求めた。これは明治にとって二重の打撃となった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年10月28日