午前の準決勝、流れる音声に耳を澄ませ、聞いた内容を瞬時に置き換える選手の瞬発力に、見学に来ていた学生たちからは度々感心の声が上がった。準決勝を経て、両部門からそれぞれ6名の選手が午後の決勝戦に進出した。
今回のコンテストの最高レベルの通訳を一目拝聴しようと、午後も会場前には早くから見学者が列を作り、午後1時40分に始まったときには、会場後方は立ち見する学生で溢れかえっていた。
決勝戦とだけあって選手はレベルが非常に高く、訳の質はもちろんのこと、全体の振る舞いやマナーに至るまで、プロさながらのパフォーマンスに感心させられる人も多かっただろう。見学席の日本語を勉強する学生たちはメモを取ったり、自分でも訳したりしながら、選手の訳を高揚を押し殺すように聞き行っていた。約3時間の闘いが終わり、一同審査結果に固唾を呑んだ。審判員の塚本氏は「みなさんは本日のコンテストで優れたスキルを見せてくれた。審査員にとっても目と耳の保養となった」と賞賛した。林氏も「みなさんは優秀な学生だ。今後はさらに伸びていく」と選手を激励し、「中国語においては中国の知識人のレベルに達するだけでなく、外国語も高いレベルでなければならない。通訳は大変辛い仕事だ。通訳にとって情報量が非常に重要で、ネットで情報を収集したり、本を読んだりすることは不可欠だ」と選手に対する要望を添えた。