釣魚島問題、日米同盟、防衛計画の大綱の改正といった日本の外交・安保政策の動向を見ると、日本版NSC(国家安全保障会議)には良からぬ下心があることが分かる。
衆議院に続き、参議院は27日に国家安全保障会議設置法案を可決した。これは日本版NSCが間もなく設置されることを意味する。日本版NSCは、日本の今後の外交・安保政策を決める中心的な機構で、軍拡を目指す安倍首相の意向が色濃く反映されている。これは安倍政権による、日本の安保・防衛政策の根本的なモデルチェンジに向けた一歩目だ。
同法案に基づき、内閣は首相・外相・防衛相・内閣官房長官が定期的に出席する「4大臣会合」を新設し、日本版NSCの政策決定の中枢になる。日本版NSCはまた米国版NSCにならい、内閣に日本版NSCの事務局「国家安全保障局(安保局)」を設置することになる。
日本版NSCの設置は、安倍首相の宿願だ。安倍首相は2007年の初就任時に、政府に関連法案を策定するよう指示した。安倍首相はその後突如退任することとなり、同法案は国会審議に入る前に打ち切られてしまった。再任を果たした安倍首相は、日本版NSCの設立を、政府の最優先事項とした。安倍首相が日本版NSCの設立を急ぐのは、軍事大国の夢を復活させるためだ。
日本版NSCには三つの特徴がある。一つ目は濃厚な軍事色だ。日本メディアは、日本版NSCが実質的には安倍政権の「軍事司令部」であると懸念している。二つ目は中国に対する敵意で、これは日本版NSCの枠組みにはっきりと示されている。日本版NSCの6部門のうち2部門は、「同盟・友好国」、「中国・朝鮮」だ。釣魚島問題、日米同盟、防衛計画の大綱の改正といった日本の外交・安保政策の動向を見ると、日本版NSCには良からぬ下心があることが分かる。
三つ目は、首相と首相官邸に非常に強い権限を与えることだ。日本版NSCは日本の安保・外交・防衛政策を司るほか、その権限には「首相が必要と判断する外交・防衛の重要事項」、「首相が必要と判断する重大な緊急事態への対応」、「その他の首相が必要と判断する国家安保事項」が含まれる。
日本版NSCにより、日本の外交・安保政策の動向は、首相個人の意向と政治目的によって強く左右される。これは安倍首相の極右的・好戦的な傾向が今後、日本の外交・安保政策につきまとうことを意味する。
安倍首相本人も公式の場で、国家安全保障会議の創設は、日本の外交・安保の歴史的かつ重大な転換の一歩目だと発言した。安倍首相はこれから国会に対して、国民の知る権利を制限する「特定秘密保護法案」の可決を促し、国家安全保障戦略を制定し、防衛計画の大綱を改正するだろう。
日本の評論家は、「日本版NSCの実質的な機能は当時の大本営で、日本版NSCにおける首相の権限は大日本帝国時代の統帥権に相当する」と指摘した。周知の通り、「統帥権」、「大本営」は、当時の日本の軍国主義の二大看板だった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年11月28日